あたまに花をさかせる

楽しかったことを書く

刀ミュ「静かの海のパライソ」に心奪われてる

なんか、ずっとずーっといろんなことを考えて心がふわふわしていますね!

令和3年9月27日、10月1日 東京ドームシティホール

musical-toukenranbu.jp


島原の乱がテーマなら、話が地獄ってことはわかっていたので、どうその地獄を突き進むのかなと思っていたけど、素直にまっすぐ三万七千人がみんな死ぬという結果にもっていったの好きでした。

このはなしは、最後の鶴丸の「救ってみろよ、三万七千人」にこもってると感じた。最後の「やれるもんなら、やってみろー!!!」の悲しさよ。

三日月のやり方は、優しいやり方だけど、三日月に島原の任務はできたのかなって思う。もちろん遂行できたとは思うんだけど、鶴丸のほうが適任だったのは間違いない。
三日月は、幕府の側に手のものを紛れ込ませていたのがぽいなと思った。三日月は少し遠くから寄り添い、鶴丸は渦中で先導するところにキャラ性を感じたのかもしれない。
過酷な任務をする鶴丸に、三日月がかけた「あまり無理をするな」という言葉は、本当に慈愛に満ちているんだけど、素直に、ありがとうって飲み込むにはちょっと難しい言葉だよね。
鶴丸は、ものすごい強い意志で、地獄を貫き通したので、そのタイミングでかけられる甘くて心が柔らかくなるような言葉は、取り扱いに困る。役割を遂行している最中なので、鶴丸国永って個人にもどしてあげないでほしいよお、って切なくなってしまった。体に力をいれてないと耐えられないと思うんだよ。
しゃらくせえ、って言い方が思っていたより優しかったので驚いた。鶴丸、かちんときてたのではと思うけど、表面化させるのはさけたのか、なんて鶴丸っぽいんだ。
ミュの鶴丸は、ありがとうって思ったら、「ありがとう」ってそのまま素直に言える大人な鶴丸なので、ありがとうってきもちじゃなかったんだろうねって思った。

鶴丸が戦をはじめた首謀者(山田さん)のこと、最初からめちゃくちゃ嫌いなのが最高に好きだった。
刀ステ虚伝の薬研に次ぐ、歴史人物にあたりのつよい刀剣男士だったのではないか。最初から怒ってるもんな。
あと、首謀者が、心折れかけたときに、自分が天草四郎になることで退路をふさいだ鶴丸最高に賢い。

あと、「今回の任務は成功だ」って子供の死を目の当たりにした松井にいいに行くの、あれ、殴られに行ったなというのがわかりやすくてよかった。
終始、自分が憎まれ役になることで他のメンバーのストレスを調整しているのかっこいい。
ずっとずっとかっこよくて、苛々してて、ゲームでもときどきちらりと見える鶴丸の怖さがめっちゃ見えて最高に胸ときめいてしまった。鶴丸かっこよかった。

今作は、刀剣男士が歴史の人物として活躍するってことは、人を殺すってことなんだよというのを明白に突き付けてきた。
人がめっちゃ死にます!って歴史を守るわけだから、人もろくに切ったこともないような人を、刀剣男士が殺してしまうのは、すごい、嫌で悲しくてしんどいなあって思ったし、そう感じさせる意図のある物語だった。特に鶴丸が、先陣を切って手本を見せたところですよ。攻め入ってきた人間をばったばったと殺して、大名の首を落とし、「打ち取ったりー!」て大見得をきるところですよ。あそこで、勝ってしまうことが、なで斬りという地獄への取り返しのつかない一歩目なので、本当に鶴丸がタクトを振るってしまったんだなあ。
三百年では覚悟をもった武人同士の戦いが多かったから、勇ましさやかっこよさを感じさせてくれたのとは、対比的だと感じた。もちろん、巻き込まれて命を落としてしまう者の物語とそれに寄り添った大倶利伽羅がいたので、そこのテーマを大倶利伽羅がパライソに持ってきていたんだろうな

私は、刀ミュで、刀剣男士が、過去作品で扱ったテーマを経験として、新作に持ってきているところが大好き。
倶利伽羅は三百年での、戦のせいで命を落とす農民と心通わせた経験とか、歴史を守るために一人で重荷を背負って暴走してしまった石切丸を見た経験が今回のパライソに活きている。三百年を経た大俱利伽羅だから、子供と心通わす浦島をとても心配したし、鶴丸からけして離れなかったんだな、と思わせてくれる演出の妙技よ。
鶴丸が石切丸の道具を使用していたことも、三百年における石切丸の立場を今回は鶴丸がやります、という暗示に見えた。三百年では部隊から離れがちだった大倶利伽羅が今回ずっと鶴丸のそばにいたのほんとに印象的だった。
あと、島原の乱でなで斬りが行われた後、それを見つめている鶴丸に、自分たちの任務が終わったって告げて区切りをつけてあげるのあまりにも優しい。
鶴丸が、大倶利伽羅を選んだのは、自分の意を汲んで動いてくれる人がほしかったのかなと理解してたけど、ただ、もし、心の支えも期待してたならいいなと思った。鶴丸には自分を大事にしてほしい。

松井は、島原と向き合う必要があるという意図なら納得のメンバー選抜です。パライソは、鶴丸の信念や行動の説明でもあるけど、成長物語という意味では、松井の物語だなと思った。あおさくでは、鶴丸以外はみんななにかを乗り越えていたけど、今回、運命とかそういうものと向き合って超えるって役割を担ったのはほぼ松井だったという印象。浦島もちょっとその役割だったけど、浦島は安定していたので、心が大荒れだったのは松井よな。パライソでは、松井が血にこだわっている理由を島原の乱キリシタンの血を吸ったことだと定義して、その歴史に直面させることで乗り越えてもらうのがストーリーの一つの柱でしたね。
鶴丸になにか言いたいんだけど、任務の正当性はわかっているのでなにも言わないところに葛藤がみえてよかった。事態がどんどん悲劇に向かうんだけど、それが正しいって松井は知っているから、鶴丸を止めるわけにもいかない。でも、歴史通りだからしかたないって割り切ることもできなくて、ちゃんと心を寄せているから苦しんでいる。考えて考えて、その時々でできる範囲で精一杯にやって、ちょっとずつ悲劇から目を背けないことができるようになって、子供が殺されてしまうってとこもちゃんと見たのが、なんていうか、すごい、向き合った、って感じがした。結果として鶴丸を殴りましたけど、あれは、ちゃんと見たからこそでた感情の動きだったので、松井の成長だと思う。
松井のビジュアルがキリシタンっぽいのでパライソの雰囲気にベストマッチだった。登場するときパイプオルガンとかピアノの音がしてゴシックなところが新鮮でよきかなでした。

日向の選定の理由はよくわからなかったけど、正宗という刀に、光の役割背負わすのあまりにも適格で逆に地獄やなって思った。
日向が光として貧しい人たちに囲まれているシーンがグロテスクで美しくてよかった。絵画みたいで印象的だった。
光として掲げるのに日向のビジュアルとても適している。すがりたくなるよ。
豊臣の治世を大げさに褒めるについて、そんなことないと思うよ!って逐一言うのがなんだか不思議な真面目さでおかしみがあって好きだ。
日向君には華があるので、視線がぱっと引っ張られることがちょくちょくあった。
日向君は今作では、前作までのテーマをとくになにも引き継いでない立場として登場してたから、次に、「パライソを経た日向」が活躍する話があるはずって考えている。

浦島はね、鶴丸の仕事の邪魔には絶対ならないけど、全肯定はせず素直に一揆勢を按じて悲しむので、鶴丸は、自分の罪悪感担当として連れていったのではと思った。外付け良心。優しい気持ちのバックアップ。浦島が悲しんでいる場合、鶴丸の作戦はうまくいっているというメルクマール。
浦島の悲しみは、鶴丸の救いであり罰だなっておもった。鶴丸が首謀者の話は絶対に聞かないのに、浦島の話は丁寧に聞いてそれでもだめだよって優しく諭しているの対比が効いていてすごく好きな演出だった。
強い人は強くならなきゃいけない理由があったっていうテーマを引き継いでるのが浦島だった。天狼伝で語られたテーマだね。
浦島、煽動の片棒をよくわからないままに担がされたのに、鶴丸の采配を誉めてるのあまりにも賢くて辛い。でも、浦島は虎徹なので。そういうことができる刀なので。
立体で見ると、浦島の衣装は、自然と海を感じさせるのでとてもすてきだと思った。平面で見るよりデザインの魅力がうんとわかりやすかった。

豊前がいてくれてよかった。豊前は、視座が高い。神様目線だと思った。豊前が、敵っていう場合、相手は幕府軍ではなくて遡行軍です。
賢いし、人の気持ちがよくわかるので、鶴丸が何をしようとしてるのかの理解があまりにも早い。
松井と一緒にいてやれるって喜べる心強さが大好き。豊前鶴丸にありがとうって言ってくれて嬉しかった。
鶴丸に、「たいしたリーダーだよ」って言ってくれる強さと聡明さが大好き。
鶴丸が「お前もな」って返すのが小気味良くてよかった。豊前は、江のリーダーだからね!
豊前の選抜は鶴丸の優しさだと思った。松井ひとりに運命と向き合うことを背負わせなかったのとても優しい。
豊前のシルエットがいつだって完璧にかっこいいので、スタイルがいいなあ!と登場するたびに驚いていた。大倶利伽羅と二人で戦うところとか、会場中をときめかせたに違いない。あまりにもかっこよかった。

鶴丸が最初登場した時、葵咲のときより男っぽくて驚いた。声もすごく低かったし、所作やしゃべりかたもわかりやすく男性的。成り代わると決めて「天草四郎です」って自己紹介するときは、かわいこぶっていたので、そことのギャップが印象的になるようにかなあってちょっと思った。2回目見たときはもう少しまろやかな鶴丸だったので、調整があったのかしら。もしくはわたしの心持ちだね。
ミュの鶴丸のしゃべり方、語尾が、ぜぇ、とか最後の母音まできっちり発音するとことか、ちょっとべらんめえ口調っぽいところが大変に年齢の高さを感じて好き。人生経験があります!って感じがしゃべり方からにじみ出ている。あの愛らしいお顔から発せられるとめちゃくちゃどきどきしてしまう。ありがとうございます。
パライソでの鶴丸の高潔さを見ると、葵咲で鶴丸が全体を俯瞰する立ち位置にいたのが気になってくる。篭手切が先輩を、ほかの刀と区別して救うことが、歴史を守ることと両立するどころか役に立つので、見守っていたということかな。明石と鶴丸は三日月のやり方に疑問を持っているという点では似ているけど、明石は命を区別すること自体が好きじゃないのに対して、鶴丸は事実が守れればあとは良しとする点が異なるのかなと思った。まだうまく整理できてないので、何度もかみしめて考えたい。なんかもっとしっくりくる解釈の仕方があると思う。
鶴丸は、戦って手段を選ぶ人が好きじゃなくて、でも任務はちょっとも綻びないようにこなして、自分のやり方とは違う三日月のことも考えてるので、めちゃくちゃにしんどい道を選んで歩いてるなと思った。ツイッターで見かけた「慈愛の三日月、高潔の鶴丸」って言葉がなんかまさにって感じだった。三日月は三日月で茨道なんだけども。取りこぼしがあることは重々承知でやってるんだし、それは鶴丸も当然わかってると思うんだけど、やっぱ過酷な任務の後はイラつくときもあるよね。
三日月、鶴丸、明石、篭手切、巴形薙刀あたりが、命の選別ってテーマを持ってる刀剣男士だと思うので、一回全員で出陣してくれないかな。主義主張の違いでおおいにもめてほしいな。


印象的な歌の話をしよう。

静かの海のデュエット
とてもよかった。うたがうまい。ハモリの響きがあまりにも最高。しーずーかーのうみ。鶴丸があそこでソロ唄ったら切なすぎて泣いてたから一緒に月を見てくれる人がいてよかった。大倶利伽羅に毎秒、感謝している。「退屈な場所さ」の歌い方が最高だった。さみしくてぽつりと気持ちを遠くに置いてくるような声。何度でも聞きたい。


鶴丸がタクトを降る歌
三万七千人の命のライブ。鶴丸が煽動うまくて困る(困らない)。
あんなに上手に盛り上げられたら、勝てそうかもって思っちゃうし士気も上がるよねー、と思った。ただ、負ける運命に誘っているので曲調は不穏でそこのところ大好きすぎた。たぶんパライソで一番好きな曲ですね。
大劇場で大演奏で、神も耳を傾けるライブ。「大舞台」って言わないとこ好きだった。大舞台は、鶴丸国永が時間そ行軍と戦うときに使う台詞だから、それが使われてないのよかった。
鶴丸がタクトを振るうとき、後ろで大倶利伽羅は旗を振ってくれるから、絶対に鶴丸を一人にしないんだなという覚悟が見えて、感謝しかなかった。豊前も馬印を振ってくれる。状況の不穏さに戸惑う浦島と日向は一揆勢にすごく心を寄せているんだなという素直さが愛しくて悲しかったし、ライトが当たらない場所にいる松井は、悲劇を直視することがまだできないんだなって明白にわかってたいへんに好みでした。

鶴丸が舞を舞う歌
主は鶴丸に舞をまわせすぎでは?と思ったけど、ミュの主は登場するときに、しゃれた音楽がなるタイプの主なのでしかたない。舞を見せてくれてありがとう、もしよければ今度ほかの子の舞も見せてね。葵咲のときとはまた違う男性っぽい舞だった。葵咲は可憐って感じだったからね!

浦島の海の歌
パライソ2020を見た主たちは、どんな気持ちで壽を見たんだ?と心配になった。悲しくて優しい雄大な歌。両手を繋いだ兄弟が死ぬのを見ているしかないという運命よ。壽では、虎徹の2人がいてくれてよかった。

we are 四郎 の歌
ウィー!アー!四郎!あっまくさしろう!
突然のラップに驚きを隠せなかった。本丸ディビジョン。鶴丸の軽快なステップが印象的。
浦島と日向は天草四郎になれて、大倶利伽羅がなれないのなんでかなと考えてた。
倶利伽羅では、少年、というには大人すぎるからかなとも思ったけど、鶴丸天草四郎になれるもんなあ。
倶利伽羅は民衆をパライソに導くことがどういうことなのかってのを知ってるので、純情度が足りなかったのかなとも考えた。
いや、単純に鶴丸が、自分のビジュアルに自信があって、少年といって差し支えない!って考えているという解釈もおもしろくて大好きなんだけど、いろいろ考えてしまう。


全体的にパライソのお歌、難しいのが多くないかいと思った。歌いこなしているのであまり気にならなかったけど、ガイドメロディなしで歌うわけだから、だいぶん難しいぞ。パライソの面々は歌唱力に期待されているのかしら。



2部衣装とても好みですね。軍服っぽいので大好きです。
楽曲は勢いがある曲が多かったね。バラード少なめ。
倶利伽羅豊前の曲かっこよかった。
松井がソロ歌ったのすごいなと思った。
鶴丸はロックな感じでかっこよさぜんぶりだった。
浦島はさてはうたがうまいなって感じた。日向君はダンスがとても上手だな
あと、壽でパライソかな?って思ってた元気一杯の曲はパライソだった。元気に生きていく歌が大好き。刀剣男士がにこにこ歌ってくれると幸福を感じる。
二部は、刀剣男士のきらきらの輝きに夢中になるので、なにも言えなくて困る。何度もみたら何か言えるかな。

とっちらかった感想だけど、かけて満足満足!おしまい!