あたまに花をさかせる

楽しかったことを書く

R4.1.29 劇場版 舞台「刀剣乱舞」義伝 暁の独眼竜

令和4年1月29日 映画館! 特典に鶴丸のいる週を狙って見た!鶴丸は来なかった!無念!

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鶴丸が好きっていう話

私は、義伝がとても好きで、なぜかというと鶴丸国永がめちゃかっこよかったからです。
義伝の話の中心は、歌仙と大倶利伽羅、それから小夜くんであり、細川と伊達という2つの家の縁と刀剣男士たちの関係性の深まりって感じだと思うんですけど、そことは全然関係なく鶴丸国永がなんかすごく、すごかった。
なにがすごかったって、殺陣です。真剣必殺もあったし、黒甲冑に取り憑かれて黒い鶴丸になってからは仲間が止めに来るから、ずーっと鶴丸が殺陣をしている。通常、刀剣男士は均等に見せ場があるので、殺陣のシーンは順番にくるものです。でも義伝は、鶴丸国永が、ずっとずっと舞台上にいてかっこよく殺陣を続けてくれているのが、もうなによりもすごく魅力的でした。
私はこれを最初、京都の劇場で見て、あまりのことに頭がぼんやりとして、帰るときに乗る電車を間違え、ぜんぜん違う山の中に行ってしまった。夜に山にいくととても怖いという知見を得ました。

新しく感じたこと

義伝の感想は、つるまるがかっこよかった で、他のことを思い出そうとすると鶴丸の印象に上書きされて終わってたんですけど、令和3年に无伝まで観終わっている私は多少冷静になったのか、義伝って起承転結の承なんだなということを強く感じました。悲伝が結です。
悲伝でおこることへの布石が義伝では、たくさんうたれていて、山姥切国広と三日月、それから鶴丸のあたりに顕著だなと思いました。三日月が関が原をループしていることに真っ先に気がつくところは三日月ループの暗示にとれますし、三日月がなにかしようとしていることに山姥切がちゃんと気がつくとこも悲伝の最後の戦いにつながるように感じます。また、鶴丸が、三日月を驚かせたい、といったとき、三日月は「俺を驚かせるのは骨が折れるぞ」と応じていたのは繰り返しの中でだいたいのことを知っているからなんだなーと今なら思えます。当時は、三日月、落ち着いてるもんなーとのんきに思っていました。
三日月は、目的があってループしているのか、ループから逃れられなくて困っているのか、どっちなんだい、といつも思う。困っているなら気の毒なので助けてあげたいんですけど、助けようとしているまんばちゃんもなんか維伝で不穏だったしなー!!

キャラクター語り

三日月ループの話をしだすと際限がなくなるのでキャラクターに着目して語っていきまーす!

三日月宗近

悲伝に向かって一直線に伏線を積み重ねていっている。本丸で仲間と過ごしているときと、遠足にいったときはにこにこ楽しそうだったけど、一人でいるときなんかめっちゃ疲れてない?だいじょうぶ?って心配になった。劇場版の順番的に、无伝のあとに悲伝を見ることになるから、どういうふうに感じるんだろうなといまから楽しみです。
重症の小夜を抱えるシーンと、黒い鶴丸を支えるところが、何度見ても大好きです。だれより早く動く。動きはいつも優雅だけど、力強いから不思議におもって目が離せない。だいたいしんどそうだけど、美人がしんどそうにしてると魅力的に見えるので、どきどきしてしまって申し訳ないな。

山姥切国広

三日月の導きのもと素直に成長しているまんばちゃんが見れて眼福。劇場版で見て、こんなに三日月からの教えを素直に受け取って頼りにしていたのか、と新鮮に驚いた。小夜と山姥切のシーンは、細川と伊達の物語とぜんぜん関係ないところで動いていたから、当時は、なぜこの二人のシーンが必要かわからなかったけど、ジョ伝で、三日月がそばにいなくてもちゃんとできるようになった山姥切国広の成長と、悲伝でそんな三日月を失う喪失感につなげるわけだから、山姥切国広の成長ステップとしてここは必要だったのかーと思いました。
義伝はほんとにあとの作品にぽーんとボールを投げるようなシーンがおおい。まんばちゃんは、今回かなり安定していたのでコメディを担当するとこが多かったなーという印象。かわいかったですね。

小夜左文字

歌仙の面倒をみてくれる短刀。小夜は虚伝で兄たちに庇護される立場だったので、今回、歌仙をたしなめたり、「うちの歌仙」と気遣ったりする面が見られてたいへんに満足。劇場版の大きな画面で見る体術を中心とした殺陣もとってもかっこよかった。左文字の兄弟は、虚伝でも、もとの主の性質や逸話に大きく影響を受ける、という刀剣男士の側面を強調する役割でしたが、今回は小夜が、復讐の逸話とどう向き合うか、というのも見どころでしたね。
ただ、どうしても細川と伊達が中心だから、小夜のお話はちょっと脇にやられてたなーという印象はあった。

歌仙兼定

歌仙が戦うときに、マントがひらめいて裏地の赤とお花がちらりするのがほんとうに大好き。動いたときに抜群にかっこいい。尊敬しますね。義伝の主役の一人。人見知りの反対でよくしゃべるとお小夜に言われているとおり、沈黙が嫌で喋っているんだろうなと感じさせる挙動と台詞回しが最高にキュートでした。あの、自分の常識を前提にしてしゃべるのでちょっと論理がひとりよがりなところが愛らしいですね。でも、歌仙は自分の基準が明確なので、細川忠興と対面したシーンでも、言葉というよりそこにのせた気持ちが、まっすぐに忠興に届いてたのがなんか、いいな、と思った。歌仙と忠興に共通する前提があるから、届いたんだろうなと感じたわけです。ビジュアルぜんぜん似てないですけど、歌仙と忠興の関係もいいよね。綺伝が楽しみです。幕があがるといいなあ!

倶利伽羅

義伝の主役の一人。大倶利伽羅はあまり喋りませんが、歌仙と喧嘩し、小夜に憧れられ、燭台切に心配され、鶴丸に助けられるという、登場人物を物語の中心に関与させるハブとして機能していた印象でした。大倶利伽羅伊達政宗に強い気持ちを向けているから、伊達政宗の物語に、他の刀剣男士も上手に巻き込まれた感じ。とてもキーパーソン、とてもいい。
鶴丸が自分の代わりに黒甲冑に取り込まれてしまったことに責任を感じているとことか、自分が政宗の刀として必要とされたいって気持ちがあったんだと自省するところか、根っこの部分の善性を感じた。小夜の話も聞いてあげるし、いいやつ。声もいい。低い声でしゃべっているのに、なにを言っているか聞き取れるのはすごい。あと真剣必殺めっちゃかっこよかった。やはり龍の文様がばばーん!と見えるのは映えますね!

燭台切光忠

燭台切は気持ちがあんまり揺れ動かなくてどっしりとしているので、ストーリーを展開していく役割にはなかなかならないなーという印象。ただ、このみんなを見守りもてなす優しい距離感を保った立ち位置が、悲伝で、一人だけ三日月の秘密を知っちゃったときに、みんなの前で問いただしたり、他の人に相談したりって動きをしないという燭台切のありかたの根拠の積み重ねの一つであると思う。ステの燭台切はそうするよねーという納得感への布石。
燭台切は悲伝ですごい振り回される立場になるので、悲伝を見るのが楽しみです。

太鼓鐘貞宗

彼がいなかったら、義伝はもっと暗くなっていたかもしれない。伊達政宗にも関ヶ原にもあんまり深く関心がないので、燭台切の相方としてにこにこ楽しくしていてくれたので助かった。コメディ部分を一手に引き受けてくれていた印象。貞ちゃんとしての物語は特別なく、燭台切に戦うことが刀のありかたって主張してくれる、燭台切のありかたを補強してくれる立ち位置だった。白い衣装がド派手で殺陣が映えるのでまた出てきてほしいなーって思います。

鶴丸国永

喋り方がゆったりしているタイプの鶴丸。わたしはこの喋り方の鶴丸も好きです。退屈しているので、トラブルが起きるとイキイキと楽しそうにするのがとってもよかった。鶴丸が黒甲冑に取り込まれたのは作戦の一環だったけど、あれ、本当に、黒甲冑と一緒に死んでしまってもそれはそれでよし!と思っていそうなので、鶴丸を退屈させるとろくなことにならんし恐ろしいなと思いました。
別に、破滅的なわけではなくて、しらーっと境界を越えてしまう怖さがある。この鶴丸はあんまり声を荒らげたりはしないけど、鶴丸の怖さをちゃんと持ってるなーと思いました。鶴丸のこと好きですけど、めっちゃ恐ろしいとも思っている。
明確な物語を持っていないということが示されていて、そこが、維伝で、物語を経験して強くなれ的なことを言われていたのにつながっているのかなーと思いました。

伊達政宗

かっこよくてやばい。そもそも武将としてのエピソードがかっこいいんですけど、刀ステの伊達政宗めっちゃかっこよくないですか?ビジュアルも声も殺陣もぜんぶいかしている。黒甲冑も大倶利伽羅もそりゃ惚れ込むわな、と納得しました。
小十郎との主従関係もすごくよかった。命をかけてとめてくれる人がいると、歴史改変の誘惑に打ち勝てるのだという証左。黒田官兵衛は時間を調略する方向に吹っ切ってしまったけど、政宗は踏みとどまったぞ!

細川忠興

直近で見た忠興が、科白劇の忠興だったので、義伝のときこんなにかっこいいのにどうして!という気持ちが先行してしまった。伊達政宗をなんどでも諌めてくれる場面が最高にかっこよかった。時勢がよめる武将ってかんじ。最後のときに、政宗のところに来て、夕暮れではなく暁だ、って言うところとか胸が一杯になった。とってもかっこいい。

義伝は歴史上の人物が、いいかんじの最後を迎えた唯一の作品ではないか、と今思った。
ジョ伝もいいかんじだったけど、のちの作品で黒田官兵衛がたいへんなことになっているので、めでたしってかんじではないしな。

ジョ伝の映画も楽しみですし、綺伝が見られるのも楽しみです。