あたまに花をさかせる

楽しかったことを書く

情緒が大混乱!! 舞台『刀剣乱舞』无伝 夕紅の士 -大坂夏の陣-

令和3年4月24日、25日 IHIステージアラウンド東京

染谷さんが演じる鶴丸国永と健人さんが演じる鶴丸国永を別々の個体であると認識しているので、比較するときはそれぞれを「染鶴さん」「健鶴さん」と呼びます。

鶴丸について(情緒混乱)

慈伝、バッドエンドなのでは!?慈伝は未来に進めたけど、そこに三日月はいないし、それでも元気に頑張っていくぞって物語だったので、それはそれで好きだったけど、今回の无伝を経て、悲伝が陽伝に塗り替わったことで三日月を失わない可能性がでてきた以上、バッドなのではーと思った!!

ねえ、なんで、ステは健鶴さんに辛い役割を任せるの!?維伝のときも物語の鍵になるのは鶴丸って言われている鶴丸さんが、染鶴さんだったので、健鶴さんは!?!?ってなったけど、三日月を失う道筋にいるのは健鶴さんで、三日月を救う道筋にいるのは染鶴さんなのではー?!?!なんでそんなことするの!(勝手な妄想で憤っています)

染鶴さんは、知的な面と、遊びに全力な面と、恐れや寂しさを表現する面と、そんなの全然感じてませんよって高揚している面が、全部並列に成り立っているのが魅力だし怖い。好き。全部本当で重軽がなくてサイコロの目みたいに等価値。どこかの面が現れているときはあとの面はほぼ見えないのが特徴的。でも私達は、染鶴さんが他の面を持っているって知っているから、こんな行動をしているけど、ほんとは深い考えがあるのかな、とか想像を掻き立てられる。魅力的ですね!!!

ストーリーについて

无伝は、主要な登場人物のうち人間が二人しかいないので、歴史ドラマのなかに刀剣男士が交じるってかたちじゃないのが印象的だった。徹頭徹尾、物語!ファンタジー一色!!!正体を隠すとか歴史に影響が出ないような振る舞いとかないです!!ってかんじ。
刀剣男士は歴史を守るために行動してるってことが共通で認識されているので、話の展開が早い。その行動原理が前提としてあって、それに対して、交渉とか対立とかのフェーズに入るので、なんかこう、虚伝~維伝の話運びとは趣が異なっていた。綺伝は近い。でも綺伝は話の真ん中にいる忠興が刀剣男士を理解してなかったので、歴史ドラマの局面もあったし、忠興亡き後はガラシャが覚醒してしまったので、刀剣男士が振り回わされていたから中心は歴史人物だったんだよね。

无伝は刀剣男士が、他の登場人物と対等なのが独特な感じがした。刀剣男士は、歴史を守る都合上、物語を進行させるのは、歴史人物の役割で、刀剣男士たちは、それを押したり引いたり時間遡行軍という邪魔を排除したりして歴史上の人物たちがつつがなく歴史を進行できるようにサポートしてたわけですけど、今回は、歴史上の人物たちの物語は、刀剣男士がどうこうする必要がなく、独立独歩で物語を歴史通りに進行したので、刀剣男士がやったことって真田丸を破壊したのと、真田十勇士の成仏の手伝いだった。
つまり今回戦った相手はどっちも虚構だったんですよ。歴史上の異物を排除するって役割だけやったし、相手が虚構で刀剣男士と同種のものだったから、なんと対話して対等な立場で戦闘までしたんですよ。レア。

真田十勇士について

めっちゃ良かった。ひとりひとりがきちんと魅力的だった。せっかくなので、この子が好きです!って言いたいんですけど、佐助に注目すると、いや、クールな小助もよかったってなるし、存在意義と現状のギャップに激高した筧もよかったってなるから決められないですね。
真田十勇士、最初出てきたときは、多いなって思ったけど、デザインが絶妙だったので、途中から気にならなくなった。みんな赤じゃないですか。なので10人いるけど、ひとつの群れと認識できるので、個々が際立ちすぎなかったのがよかったですね。
実際のキャラ付けは個性が際立ってピーキーなので、めちゃくちゃ多彩な一団というかんじでよかった。

真田十勇士について思ったのは、維伝の龍馬たちと同じものなのかなってことですね。なので成仏させないと大変に危ないですね。隔離された世界を我がものとして、特命調査を発生させてしまいますね。

如水と維伝と三日月のループについての妄想

維伝つながりで思ったんですけど、物語を欲していたのはもしかすると如水なのでは、と思い始めた。阿吽でもいいんですけど、如水陣営ですね。如水はなにかを探していて、三日月も何かを探していて、黒まんばもなにか探している、黒まんばは染鶴に物語を経験して強くなってほしいって思っている。物語を積み上げることで強くなるって認識してるのって黒まんばだけだっけ?三日月とか如水はどうだっけ?
でも数珠丸も物語の強さ、名前の力に言明してたから、ある程度の共通認識ではあるのか。
となると、何度もくりかえしていること、いろんなバリエーションを試すこと、関係の深いものを接触させること、関係者の数を増やすことがだいじだから、如水は何度もいろんなことを試して、いろんな歴史改変の裏に如水がいるんだなあ。

今思ったんですけど、如水が歴史が繰り返されているって気がついたのは、刀剣男士が時間遡行を繰り返しているせいで、それは虚伝(再演)の蘭丸も気がついていたから、勘の鋭い人は普通に気がつけるんだと思うんですよ。つまり結の目のせいじゃないってことがいいたいです。
如水が色んな所でいろんな歴史を実験しているせいで、三日月がループしてるんじゃないのかい?とか思い始めた。
でも、違うか、三日月はループすることでなにかを探していて、如水もおなじものさがしてるんだから、どっちかのせいでどっちかのループが起きているわけではないのか。
でもさー、三日月はすごくループするのしんどそうだから、如水めっちゃタフでは?

今回出てきた如水と黒まんばはどうかんがえてもめっちゃ近い存在なので、黒まんばが怖くてたまらない。あれまんばなのかな。まんばだよね。でもまんばは三日月を助けるキーパーソンなので、それはまちがいないので、三日月のためになることをまんばは必ずするのでその点だけは固く信じている。


无伝の最後に鬼丸がでてきて、非伝が陽伝になったので、悲伝回避の可能性がでてきたのはとってもよかったです。悲伝でなにが悲劇ってほんとは三日月がいなくなったことじゃなくて本丸が壊滅しかけたことだからね。男士が強くなくて、壊滅しちゃった歴史もあっただろうし悲伝は来ないにこしたことはないんですよ

でも我々がみた悲伝は鵺っていう新しい概念が登場して、それが悲伝回避に役に立つかなっておもって三日月は鵺を生かしてみたけど、結局鵺は回避の役にはたたなくて、悲伝は悲伝してしまったわけですけど、鬼丸はもう陽伝が決定しているので、无伝で真田十勇士VS刀剣男士、三日月&高台院を如水が実現させたことにより、悲伝は回避されそうです。

えっ!!如水のおかげで悲伝が陽伝になってる????
如水は悲伝を回避してくれているの???如水はわれわれの三日月を助けたいという気持ちが顕現したものだったの??
物語をおくれって言っていたのは、やっぱりわれわれ?

混乱してきましたがそんな訳はないですね。如水には如水の目的がありますもんね。

阿吽はジョ伝にいた時間遡行軍だとおもいますから、ジョ伝の如水が、阿吽を駆使して時間を超えた調略をしているのはまちがいないと思うんですが、如水の印象が、親子盃を経た如水とはとても思えないので(長政様に説得された如水があんな大計略してると思いたくない)親子盃は、闇落ち如水を産まなかった時間軸なのかなあ。
如伝に至るには、三日月が骨喰にお守りを渡して山伏が破壊を免れるという経緯が必要だから、骨喰にお守りを渡した三日月が何周目の三日月なのかがとっても気になるところですね。悲伝を乗り越えた三日月だったりしないかしら。

キャラクターについて

ところで今回も殺陣は最高にかっこよかったですね。鶴丸の手数の多い殺陣、勇ましくて物騒で瞳孔かっぴらいててマジで最高。三日月宗近、登場するたびに恐ろしすぎて、ラスボスみたいに見えてた。ステアラ一周分の殺陣だいはくりょくだっためっちゃかっこよかった。あとぼろぼろになってるのすごくいい。

薬研さんが最高に露悪的で最高だった。悪い子ぶる。いい子じゃないんだぜって態度を全面にだしてくるのでめっちゃかわいい。真剣必殺ありがとうございます。薬研さんは虚伝でも内番につっこみいれられてたから衣装の不自然さを指摘されがちなのかもしれないかわいい。
薬研さんは今回長谷部とペアだったけど、ここは織田を意識した組み合わせだなあと思いました。如水に対するなら長谷部がほんと最適解なんですよね、物語的にも。織田信長は、天下取りっていう長い物語の一番最初に(刀ステでは)いるから、如水と対決したのが織田組だったの最高に初演VS最新作ってかんじでよかった
薬研さん、極になるかしら。長谷部は極になる未来が確定しているけど、織田の二人がめちゃくちゃに悔しそうにしてて薬研さんがぎらぎらしてたのが最高でした。
長谷部が薬研さんの言葉ちゃんと聞いてくれるのいいね。虚伝のとき、薬研さんの言葉誰にも届かなかったもんね。

私の推しのうちのひとりである数珠丸が、一貫して完璧に数珠丸で本当によかった。わたしは、数珠丸の、仏法を全力で信じているところと、人の救済を試みているところが好きなのでそこがちゃんと見れて嬉しかった。数珠丸は、人が苦しいときに仏法を使用して苦しみを和らげようとしてくれるんよ。のどが渇いている人に水を差し出すかんじよ。水がなにより大事っていうわけじゃないし、のどが渇いてない人には水を押し付けたりもしないし、水を飲むために苦労すべきってわけでもないんよ。その、塩梅。好き。

最後に三日月が高台院を殺したのとっても綺麗でかなしかった。物の思いを空に返すって言葉すごく綺麗だね。

いっぱい書いて満足したのでここまでです。おしまい!