あたまに花をさかせる

楽しかったことを書く

ミュージカル『刀剣乱舞』葵咲本紀にめろめろしてる

令和元年8月30日(金)大阪(サンケイホールブリーゼ)夜公演。

令和元年9月16日(月)神戸(AiiA)昼公演。

令和元年9月27日(金)神戸(AiiA)夜公演。

 

褒めます!!!ネタバレしますがレポにはなってない!

 

 見終わるたびに「もう一回見たい!もう一回!」って思ってしまって、劇場から帰るときに泣きそうになる不思議な作品でした。まるで塩水を飲むが如し。

 あのとびきりにかっこいい瞬間をもう一回見たい!っていうのが叶えられるから、舞台ってすごいもんだし、欲が尽きないなあって思い知りました。なんだろ、贔屓の野球チームの優勝の瞬間を何度でも体験できるので体験したいみたいな(違うかもしれない)。

 葵咲本紀の歌がどれも好きです。ダンスも好き。何度も聞きたい。一番好きなのは、鶴丸が作戦を伝えるときの歌です。みんながわちゃわちゃーってしてるダンスがかわいい。歌声がかっこいい。歌詞が聞き取りやすい。「俺の一声」!鶴の一声じゃん!かっこいい!何度も聞きたい!わー!

 ダンスが好きなのは篭手切くんのすていじの曲です。かわいい。村正と蜻蛉切のファミリーのデュエットは流石のハーモニーで大好きすぎるし、明石のラップも印象深い。御手杵がデュエットする響きが音に応じる曲は歌詞がめっっちゃ好き。好きしか言ってない。でも好き。出陣の曲もかっこいいですよね。曲もダンスもね。あとあの、遡行軍と向かい合って6人が左、遡行軍が右のふたてに別れた状態で歌う曲があるじゃないですか(曖昧)あれがなんか、ウエストサイドストーリーみたいで超かっこいいと思いました。

 あとお話が飲み込みやすかった。たぶんなんですけど、あんまり長い期間の話じゃないからってのと、みほとせを見てるからだと思います。

 一回目は、三日月の機能に全然気が付かず、一緒に見た友人に「あんなにあからさまに三日月が映し出されてたじゃん」とつっこみを受けましたが、演者さんばっかり見てたので全然気がつかなかった。つはものを見てないからってのもあるんですけど、最後に「ええー!!!三日月が!」ってめっちゃ驚いたので、それはそれで楽しかったです。ミュの三日月に相談すると、ステの三日月を円環から助けられるのではないかな?ってちょっと思いました。

 以後の鑑賞では、「だれが刀剣男士の正体をばらしたのか?」っていうシーンでは三日月が壁に映し出されているのを確認したので、たしかにこれは実にあからさまでとても素敵ですね。三日月なんですね、わかりました。という状態で話が進んでいくので、事前の知識がどれだけあるかで演出に対する印象ってだいぶかわるなあと思いました。

 三日月ってステでもミュでも特別な存在ですね。刀剣乱舞のアイコンですもんね。

 一回目に見ているときに、なぜか、結城秀康と永見貞愛を一人の役者さんが演じているのだと頭から信じ込んでいたので、後半、同時にでてきたときにびっくりしました。双子の役者さんで双子の話が見られるのとても贅沢な体験でした。

 松平信康が徳川の人たち(と村正)の行動の真ん中に常にいるので、彼がキャラクターとして慈悲深くとても強くて優しい人物としてばっちり表現されていたのが、好きでした。あんなに素敵な人だから、失ったらめっちゃ悲しくて苦しいし、あんなに素敵な人だから、その犠牲に見合うだけがんばって笑わないといけないという感情に納得感がありました。あと単純に死んだと思ったのが生きてたので嬉しかったです。

 ところで、刀剣男士の話をしてないですね。しようとすると胸が一杯になって語彙が失われていきます。

 篭手切くんは、今回すごくがんばってたし、彼と明石が対になってそれぞれの理論を言語化して、場合によっては歌って、伝えてくれるので非常にわかりやすくなってるなと感じました。やはり言語化してほしい。「その篭手もらった!」はゲームのセリフですけど、想像していなかった使い方を最終局面でされて、私は泣きました。手を握るって意味で使ってくると思わなかった。好きです。篭手切が夢を追う歌と、先輩が野望を諦められない歌が混じり合うところが何度見ても何度も見たい。また見たい。劇場版のオリジナル男士も江だったし、江がメディアミックス御用達みたいになってる。先輩の表現のされかたもかっこよかったなあ。篭手切くんはぜんぜん人間味がなくて「人間じゃないんだから」って平気な顔で明石に言っちゃうところ好きです。今後、かわっていったりするのかな。

 明石~。明石、挙動が不審なので、今後の作品で謎が明かされるのではー?と思いました。一体何を抱えているんだ明石。ミュはあんまり短刀でてこないですけど、来派来たら嬉しいです。めちゃめちゃに美人でセクシーな明石でしたけど、ここぞ!というときには目をぐっと開いて、人間じゃない目の色が見えるのが恐ろしくて最高でした。戦争すると心が壊れるってわかってるし、鶴丸を化け物って言うし、歴史改変されているって判断するし、びっくりするくらい人間だししかも常識的なタイプの明石と思いました。最高です。ところで、明石ってどこの言葉を喋っているんだろうって、大阪と兵庫と京都の者で話し合ったことがあるんですけど、大阪出身のお父さんと兵庫出身のお母さんの間に生まれて今は京都に住んでるみたいな混じり合った言語を喋っているので、明石国行言葉をしゃべっているという結論にわれわれのなかでは至りました。正解をご存知のかたがいらっしゃいましたらぜひ教えて下さい。

 村正はさー、あんなに、信康さんのこと思っていたとは思わなくて驚きました。驚きだぜ。村正は、妖刀としてのあり方と、ミュ本丸の村正っていう培ってきた個性とが混じり合ってるのですごく魅力的です。あと、何回見てもうさぎみたいなしっぽがチャーミング。息をするように自然に美麗な歌を歌うので、セリフから歌への感情の流れがなめらかでここちよくて好きです。

 蜻蛉切はさー、もうすっごい安心って感じがするのでずっといてほしい。あと基本、面倒をみてくれる立ち位置かと思っていたので、御手杵とはちょっと友達みたいな距離感で新鮮でした。三名槍が仲良しだとわたしはとってもうれしい。歌唱力が折り紙付きなのはもう三百年からまちがいないので、村正と蜻蛉切が真ん中にたってるとあらゆる意味で安心する。なんか、柱がしっかりした家みたいな印象です。あと、二部の話で恐縮なんですけど、蜻蛉切さんはご自分のファンのかたをみつけて近くによっていって、その人に向けて歌うのですごいな、これはときめくなって思いました。

 御手杵はかっこよかったです。一回目に見たときに、みんな御手杵に恋しちゃうんじゃないかと思ったくらい。なんだろう、気安い雰囲気を持っているのにあらゆる意味ですごいイケメンだから心臓が串刺しになる。油断してるとこを刺される感じがしました。どうみたって顔もスタイルもいいんだから油断するのがおかしいんですけど、雰囲気が優しい。貞愛さまと対というかペアになって相乗効果で、最終局面で大事な役割を果たしたので、自分の抱えている問題と解決策をすり合わせるのが抜群にうまい御手杵だと思いました。素直でいいやつだ。でもわたしとてもびっくりしたんですけど、突然、「御手杵にとって夢とは寝てるときに見る火災の夢だってことは当然みなさんご存知ですよね」って演出があったので、えっ、だいぶ高度だなって思いました。わたしが、観劇初心者だからそう思うだけなのかもしれない。

 鶴丸は、必要なときは前に出てきて、自分じゃないなってタイミングでは躊躇なく奥に引っ込むのでたいへん大人な鶴丸国永だなと思いました。驚異的な察知能力をいかんなく発揮し続けていたので、めちゃくちゃかっこよかった。ほんと得体が知れないし顔がかわいいのに声はかっこいいしよくわからないくらい魅力的でしたね。わたしはもうだめです。印象的だったのは、すっと表情が消えた顔をするところで、真顔と笑顔の切り替えに心を揺さぶられました。なんかわからんけどかっこいい。歌声が伸びやかで言葉がはっきりききとれるところが好きです。あと、二部で、二階から一階のうちわに向けてファンサするのがすごいなと思いました。あと、「わたし」を見てくれたって感じさせるのがすっごく上手。たぶん50人くらいといっぺんに目を合わせられると思う。

 

 感想を書いていたら、また見たくなってきました。舞台はなんどでも瞬間を体験できるし、歌は場面を空気ごとぎゅーっと凝縮して味わい深くてとっても素敵ですけど、舞台の幕が下りたら、葵咲本紀の彼らはいなくなっちゃうのが寂しい。次は葵咲本紀を経て成長した歌合の彼らには会えるけど、もう瞬間は繰り返せないんだなあってしみじみします。ついにロスという感覚を覚えてしまいました。

しかし!まだ!終わってないので!ライビュを楽しみにしていきたいと思います!

以上です!