あたまに花をさかせる

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H30.6.25 舞台『刀剣乱舞』悲伝 結いの目の不如帰(ネタバレ)

平成30年6月25日(月)12:30の回。京都劇場で観劇してきました。

以下、ネタバレご注意ください。

 

刀剣乱舞はゲームをやってて、虚伝、義伝、ジョ伝と観劇しています。

今回の悲伝が集大成ときいて、見てきました。

集大成が「悲」なのはいかがなものなの!?と、事前にめちゃめちゃはらはらして、終演後は、まんまと悲しくなりました。

三日月!三日月おまえ!もっとまわりを頼って!頼ってもどうしようもないのかもしれないんですけど!

 

ストーリーについて

虚伝のときに、初演と再演で三日月の芝居の仕方が違うという点から、三日月だけ同じ時間を繰り返しているのではないか?これからくる悲劇を乗り越えられるように本丸を導いて強くしようとしているのではないか?ということを友だちが言っていて、私は「まっさかー」て笑ってたら本当にそうでした。謹んでお詫び申し上げたい。

 

キャラクターについて

鈴木さんのお芝居はすごくて殺陣も重くて速くて、何度も円環を繰り返しているせいで、刀剣男士を超えて強くなってしまった三日月にすごく説得力がありました。

山姥切以外のみんなに斬りかかられるシーンで、みなを打ち負かしてしまった後の「俺を、折るのではなかったか!」が最高に悲しくて怖くて最高です。殺陣がすごい。三日月の衣装は着物だから袖がふわふわしてるのに、もろともせず殺陣をするのが最高にかっこよかったです。

虚伝のときに、だれか三日月の心によりそってあげて!って思ってたんですけど、今回、小烏丸さまと骨喰が寄り添ってくれてよかったです。

でも、三日月は円環から逃れられなかったのでやっぱり悲しいです。

山姥切国広と最後に戦うときに、小烏丸さまが「新参はてをださない」って言ってたんですけど、すべての刀剣の父であり、勘が鋭くて優しい小烏丸さまは、ゲームで追加の刀剣男士である以上、本丸の初期から存在することはできないので、もしかすると、何度も繰り返される時間のなかでも、いつも新参ゆえ三日月を救う役回りになれないのかもしれないなあと思いました。毎回、小烏丸がああいう行動をするのかはちょっとわからないんですけども。

玉城さんの演じる小烏丸は優しくて優美で声が良くていつも三日月のことを気にかけていますよってお芝居からめちゃくちゃ伝わってきて素晴らしかったです。

鈴木さんも玉城さんも小柄なのに貫禄がすごいなと思いました

骨喰の三日月への寄り添い方、最高でしたね。あまり口数が多くなく、記憶が無いことをわりと気にしている骨喰ですが、理由がなくても三日月を信じてくれて、あと抱きしめてくれてありがとう!って思いました。

三日月は同じ本丸で同じ時を繰り返してて、本丸襲撃のときに「またこの時が来たか」っていっていたので、本丸襲撃までは確定事項なはずなんですけど、同じ時を繰り返していても細部は異なるっていうのは虚伝の再演と初演で現れてるので、今回、骨喰がついてきて、三日月を抱きしめたのは毎回そうだったのかもしれないし、そうじゃなかったのかもしれないけど、三日月の救いになってたらいいなあ!

あと、骨喰といえば大般若さんですよね!あまりにも優しい!

骨喰についてきてくれて、介錯を頼まれた骨喰に「俺がかわろう」と申し出てくれたあのシーンが最高でした。どっちが骨喰のためになるとかそういうことではなくて、骨喰が泣いているからかわってくれようとする優しさ先行のあそこがほんとにすきです。川上さんは声をすごく三木さんに寄せてくれていましたね。

大包平がとても大包平で、鶯丸がすごく鶯丸で最高でした

大包平の天下五剣をすばらしい刀だとみとめているまっすぐさは、悲劇のなかできらきらとかがやいていましたし、今回わりと考え込んじゃうタイプの刀剣男士が多かったんですけど、大包平の勢いの良さは救いでした。三日月が裏切ったかもってみんなが混乱しているときに大きな声で自分の主張を言うところがほんとに好きです。そして、大包平のまっすぐさをときに好きにさせ、ときにフォローしつつ楽しんでいる鶯丸の距離感がすばらしかったです

加藤さんも前山さんも体格差から仕草まで、大包平と鶯丸でした。ふたりが時間遡行軍と刃を交えるときに、鶯丸は軽やかかつ鬼気迫る様子で、大包平はパワータイプの押し切りで戦う姿が最高でした。

鶯丸が「古備前の兄弟」ってよんで、大包平が普通に受け入れているのが好きです。

燭台切は今回、ひとりで悩み、ひとりで答えをみつけてたのでかっこいいなあ!と思いました。義伝でも貞ちゃんに「刀の本分わすれたか」って聞かれて、今回は歌仙さんに「本分忘れてないか」って指摘されて、もしかするとこの燭台切は言ってたように戦うことよりもてなしのほうが好きなのかもしれないですけど、最終的には刀としての実力をみせつけてたので良かったと思いました。でも私が一番好きな燭台切は、虚伝で「こんなものじゃないだろう?長谷部くん」って上段から刀を容赦なく押し込んでた燭台切です。東さんの手足が長くてかっこいいです。

歌仙さんは抜群の安定感ですよね。雅と風流って芯がしっかりしているので、いつだって自分の基準で物事を判断する眼差しが確か。和田さんの殺陣も重心が低くて速くて安定していてかっこよかった。羽織の裏地の花がらが、ちらちら見えるところが歌仙の造形の最高さですよね。

鶴丸も羽織がふわっふわなるところが軽やかでかっこいい殺陣だなあと思いました。黒甲冑に「物が主を気取るとはおどろきだなあ!」って切りかかっていたところがすごくかっこよかった。

 

日替わりについて

軍議のときに、三日月が懐からせんべいをとりだし、山姥切にさしだして拒否された後、自分でそのまま食べてしまう、という場面がありました。

山姥切は「なぜ食べた」って聞いて、三日月が「なぜだろう」って言っていたので最高に面白かったです。会場みんな思ってた!なぜ食べた!

その後、三日月さんがお茶のはいった湯呑を取り落とし、車座になっていた刀剣男士たちが「だいじょうぶ?」みたいな雰囲気になっていたのも新鮮でした。あれ、お芝居の一環なのかな?ふつうに取り落としたならめずらしいものを見た。

 

物語の謎について

なんで三日月さんだけぐるぐる円環を繰り返しているのかが最後まで謎でした。

歴史の糸が三日月によって絡まり合ってしまっているから、三日月を刀解または破壊することで結び目をなくそうとした。

三日月がいなくなることで歴史の糸の絡まりは解けて、あの本丸が未来にすすめるなら悲しいけどそれはそれで価値のあることですが、最後の山姥切との戦いをみるにそうでもなさそう(何度も手合わせをしているっぽい)なので、三日月はまだ最初から繰り返してますます結び目がからまってしまうのでは~?と思いました。

本丸がなんらかの事情で壊滅するたびに、三日月さんが、ループをくりかえして、この本丸が未来に進めるように、虚伝で山姥切に発破をかけたり、義伝でやっぱり山姥切に助言したり、ジョ伝で山伏を破壊から救ったりしているのかなとも思ったんですけど、その結果として、三日月宗近特異点となり、本丸への直接の攻撃をゆるしてしまったとしたら、ひどいはなしだあんまりだ。

今後、刀ステが続くのかわからないんですけど、できたら、山姥切国広には今回の約束を果たしてほしいなって思います。

虚伝で「美しいと思う心が月に宿る」っていってたみたいに、真っ白になりながらも約束だって言った三日月の思いが、山姥切国広にうつって、新しい物語をつくってくれたらいいなあって思いました!

 

悲しかったけど楽しかったです!ライビュも楽しみです!!