あたまに花をさかせる

楽しかったことを書く

H31.1.18 映画「刀剣乱舞」が楽しかった!!

すごーい!映画「刀剣乱舞」は、そういう解釈と描写をするフレンズなんだね!!

そういうのも大好きだー!!!

ネタバレします!!!

 

平成31年1月18日 TOHOシネマズ 仙台 21時レイトショー

 

映画鑑賞とコラボカフェを合わせて堪能したい!と思ったら、初日からコラボカフェやっているところが仙台しかなかったので、バビューンと仙台に飛びました。飛行機ってとっても便利!

せっかくなので仙台観光もして、それもとびきり楽しかったけど、それは別のお話なので、映画の話します。

 

よくできてるなーと思ったところ。


ひとつめ、ストーリーがよく整理されていて、格別にわかりやすかった。まず、映画における刀剣男士の設定を飲み込まないといけないので、ストーリーが難しいとあっという間に置いていかれるから、その心配がなかったのがよかったです。


ふたつめ、三日月がなにも語らない(語れない)ので、私なんかは「隠し事されてる!」ってストレスがたまるんだけど、そういうとき、長谷部が「隠し事してる!」って必ず代わりに怒ってくれる。そこに、山姥切国広や日本号のフォローが入ることで、私のような観客の心は慰められ、三日月に余計なヘイトが溜まらない。ストレスコントロールがうまい。あからさまに隠し事をしている人を登場人物の誰もいぶかしがらないと、観客だけ置いてきぼりになっちゃうからね!すごくだいじだと思いました!


みっつめ、ストーリーはわかりやすいけど、ちゃんと歴史ミステリー(信長の最期は安土城説)が用意してあって、ちょっとしたサプライズとなり、単調すぎなかったところ。諸説あるってのはもちろん有名だから、驚きの新展開ってわけじゃないけど、「あっ!そっちの説を使うんだー!」って思うのはとってもときめく驚きでした。三日月がいつ秀吉の手に渡ったかは歴史的には明白じゃないけど、ちゃんと理屈が付いていた。脚本上手でとっても素敵。


よっつめ、無銘の正体について、私は骨喰だと思ったし、一緒に見た友達は不動だと思った。推理した理由はそれぞれ違ったけど、二人とも既存の刀剣男士だと思い込んで、明智が持ってる倶利伽羅竜が彫られた短刀=倶利伽羅江という発想に至らなかった。これは気づけたはずだけど、新刀剣男士出てくるとまで、思い切れなかった。刀剣乱舞やってるが故の思考の隙間を突かれた気持ちですっごくしてやられた快感がありました。最高ですね。いままでオリジナルの刀剣男士出てきたことがないっていう経験があるので余計にびっくりしました。舞台の鵺も刀剣男士だと思うけど、いわゆる新刀剣男士!って形ででてくることはいままでにないことだから、驚きました!驚きだぜ!

ただ、短刀に彫られているのが倶利伽羅龍だって気がついたのは、刀剣乱舞を好きになって、京のかたな展とかトーハクで骨喰の写しをなんどもみたからなので、これまでの経験が活きたな!って嬉しく思いました!倶利伽羅龍が見分けられるようになった!しかし、肝心の推理は外れた!まだまだだ!楽しい!


いつつめ、不動を信長暗殺計画からちゃんと外しているところ。映画刀剣乱舞世界では、記憶を失っていない限り、刀としてみてきたことは覚えている設定なので、不動は信長が本能寺から逃げのびたことが歴史通りだと知ってる可能性がある。覚えてないかもしれないけどはっきりとわからない。でも、遡行軍には、歴史改変ができてるよって見せかけないといけないから、長谷部みたいに慌ててくれたほうがよい。不動にとりなされては困るので、危険要素を排除している。偉い。あと、骨喰を本丸においていくと本丸襲撃の際に鶯丸がたいへんなので、大人数に混ぜたほうがよい。賢い。


むっつめ、骨喰と薬研の関係を、三日月が説明したところ。三日月と骨喰が足利宝剣なのは、ゲームの回想からも周知の事実だけど、来歴をみると、薬研も足利にいたことのある刀。だから、記憶を失っていない三日月は、骨喰のことも薬研のことも、二人の関係性も知ってておかしくない。
ゲームでも、メディアミックスでも、薬研は信長の刀なところがメインなので、足利に縁があるって織り込んでくれたのちょっとうれしい。 私は足利がとても好きです。
むしろ、あそこで、骨喰を連れてきた鶯丸でも、薬研本人でもなく、三日月が語ったことにより、三日月には、刀時代の記憶があることの証左にもなる。すごい。

でも、ものすごく単純に、三日月は、骨喰の旧知だから骨喰の兄弟のこと知ってるだけかもしれない。私勝手に嬉しくなっているだけかもしれないけど、「もしかして」ってときめかせてもらえるのとってもありがたいことでした。

 

わたしは、映画刀剣乱舞の、それぞれの人がこれまでたどってきた興味の道筋によって、ときめきポイントが異なるところが、すごく大好きだなあっていろんな人の感想を読んで思いました!

私は足利が好きだからそこを重点的にときめいたけど、ゲームの刀剣乱舞が好きな人、舞台の刀剣乱舞が好きな人、特撮が好きな人、俳優さんが好きな人、歴史が好きな人、考察が好きな人、アクションが好きな人、それぞれ違うところにときめいてるから、人の感想を読むともう一回行きたくなります。

とはいえ、私が一番ときめいたのは、川辺で薬研と山姥切国広と骨喰が怪我の治療をしているシーンでして、あまりの画面の美しさに、今思い出してもうっとりしますから、単純に美しいビジュアルっていうのもまたパワーのあるときめきでよきかなって思いました。天女が羽衣を洗っているかのごとき美しさだった。最高でしたね。

ライビュもアップで見れるけど、映像作品として完成された画面の美しさは、ほんと映画ならではの魅力って感じですてきでした。刀剣男士、本当に顔がいい。知っていたけど、より一層魅力的に写っている。映画ってすごい。

 

あと、三日月の友達の映画本丸の審神者が、代替わりしちゃって消えたじゃないですか。私はあれ、現世に帰った(ただし、刀剣男士には二度と会えない)って考えたんですけど、友達は、霊力を使い果たした審神者は死ぬって解釈してたので、そっちの解釈だと審神者だいぶハードなお仕事だなって思いました。でも、死んでしまうって考えたほうが、後追いのように見える三日月の、あのかっこいい単騎突撃が、ますます切迫した美しさをもつからやっぱり死んじゃってるほうが物語としては素敵。でも、霊力を失った審神者は政府の作った景色のいい高級老人ホームで余生を過ごしてほしいなあという希望。

 

映画刀剣乱舞における刀剣乱舞の設定は、わたしの解釈と違うところもあったけど、なんていうか、個人的にはゲームで語られない限りは、全部、平行世界のお話だと思っているので、それもまたありって感じで楽しめました。ただ、私の本丸の薬研はどこで焼けたかっていう記憶はもっとらんのんや、まだその解釈で遊ぶんや。でも、映画刀剣乱舞の設定の料理の仕方もそれはそれで大好き。揺れ動く心。

ミュージカルにせよ舞台にせよアニメにせよ、いろんな匠のいろんな世界を味わえるの、刀剣乱舞のとても贅沢で楽しいところだなーって思いました。

 

刀剣男士はみんなかっこよかったし、信長と秀吉はすっごく魅力的だったし、アクションは大迫力だったし、100分にいろんな魅力がぎゅって詰まってておもしろかったです。映画刀剣乱舞の世界、たいへん美味しくいただきました。ごちそうさまでした!

あと何回か楽しみたいので、ロングランのヒットをお祈りしてます!あと、上映の時間と映画館を増やして欲しい!頼む!なにとぞ!なにとぞー!

 

【追記】

書き忘れてた!小説版の映画刀剣乱舞は、映像では省略されていたけどとっても楽しいシーンが書いてあるし、眼差しや表情から読み取った刀剣男士たちの心情がわりと明白に書いてあり、彼らが何考えてるのかわかるたいへんめずらしい一品なのでおすすめです。