あたまに花をさかせる

楽しかったことを書く

H28.5.20 舞台『刀剣乱舞』 虚伝 燃ゆる本能寺(初演)

楽しかったので、書く(現在はH30.5.29)
刀剣乱舞をプレイしている。舞台になると聞いて喜び勇んで見に行った。
2.5次元は、テニミュを一回と、戦国BASARAを二回見ていて、どちらもとても楽しかった思い出がある。
ただ、テニミュのほうは坂本さんが新しくリョーマをやることになりました!というときで、戦国BASARAのほうは大人版家康がはじめて出演!というときに見たきりだから、最近の2.5次元はどんなかんじなのかしらとどきどきもした。

 

2016年5月20日14:00公演 メルパルクホール大阪で観劇。


想像以上にストーリーがシリアスだった。ゲームのほうでは十数個のセリフとキャラにひとつ、ふたつの回想しかない。だから、刀剣男士がなにを考えているのか、どういう気持ちで戦ってるのかはこちらで想像し放題だ。そこがすごく楽しくて好きなところだ(もうちょっとセリフふえてくれてもいい)

わたしは、前の主のことはいろんな意味で良い思い出になっていて、愚痴ったりすることもあるけれども、過去のこととして消化されているという解釈でプレイしていた。

しかし、舞台の本丸の刀剣男士にとってはぜんぜん過去のことじゃなかった。現在進行形で感情を揺さぶる案件だった。
織田の刀剣たちが、苦しい、苦しい、ともがいたり叫んだり激昂したりするのをはらはらとみていた。審神者なんとかしてあげてって思った。事態の収拾を隊長ゆえにまるっと任されてしまっている山姥切国広の胃に穴があいてしまう!と心配した。まあ、山姥切国広には三日月宗近というメンターがいたので本人も成長できたようで結果的にはよかった

舞台ではいままゲームではで見たこともない設定や解釈がでてきて、すごく面白かった。二部隊同時出陣とか、わたしもやってみたい。隊長から、今回の任務の報告とか受けてみたい。ゲームの設定(ステータスとか攻撃範囲とか)が効果的に殺陣や演出に活かされていて、舞台として面白いだけじゃなくて、審神者やってると二度三度と楽しめた。

生身の人間が目の前で演じる迫力って本当にすごい。
宝塚とか東宝ミュージカルとかはよく見に行くけど、原作を二次元としてよく知っていても同じように立体になると楽しいのだな、と嬉しく思った
刀剣男士をいろんな角度で見られるというのもすごかった。すっごくなめらかに動く。普段、正面の絵しかみてないから、新しいポーズが次々現れるのに目眩がした。
特に、薬研の足は、立体にしてみるとあんなに露わなのかとどきどきした。階段に腰かけて宗三と話すシーンがあるんだけど、太ももに目がいってしまってろくろく話を聞いていなかった。すごくいいこと話していたのにもったいなかった(ライブビューイングでちゃんと確認した)。でも、すごくいい太ももだった。ありがとうございます。

キャラごとに感想を書く。

三日月宗近
鈴木くんはすごいよ、と各方面からいわれていたので、すごい役者さんに演じてもらえてうれしいと期待してたし、実物は期待以上だった。三日月は「美しさ」がキャラクターの根幹にあるんだけど、鈴木さんの三日月はめちゃくちゃ美しかった。顔がお綺麗というだけじゃなくて、優美な所作や舞うような殺陣などそういう演技の端々から三日月宗近は美しいんですよ、ということが伝わってくる気持がした。超ベリービューティーだった。すごい。
あと殺陣が低くて重くて速くて「これはまちがなく死ぬ」と確信した。この三日月に謀反されたら死ぬ。間違いない。怖くて最高でした。普段は鷹揚な様子だからギャップがすごくてうっとりしちゃうよね。

山姥切国広
本人がすでに写しというコンプレックスをかかえているのに、それに加えて、織田の刀たちの問題に対処せねばならず右往左往しながらがんばる姿がたいへんおかわいらしかった。卑屈している場合じゃない。
山姥切国広もキャラクターの設定として美形なんですけれど、荒牧さんもたいへんお顔が綺麗でした。肌は白くて透明だし唇は薄桃だし完璧なのでは?と思った。ブロマイドほしかったけど、手元には来ませんでした。
彼を評して三日月が言った「ずいぶん煤けた太陽だ」ってセリフがめっちゃ好きです

へし切長谷部
立ち姿が完全に長谷部。シュッて立ってた!シュッて!
不動行光と対立する立場だったから、怒ったり叫んだりする場面がおおくておおいに心をはらはらさせてくれた。ゲームではあそこまで激情的ってイメージなかったので、舞台で新鮮だった刀剣男士のひとり。長谷部はゲームで機動のステータスが高いんだけど、和田さんの殺陣も速くて鋭くてかっこよかった。燭台切との模擬戦闘でめっちゃすばやく切り込んでいく様がかっこよくて大好きです

宗三左文字
今回の主役のうちのひとりだと思う(もうひとりは不動)。
想像以上にたおやか。そして傾国だった。物憂げにたっているだけでも雄弁。セリフ言ってないときでもまなざしやしぐさに含みがあって、お芝居すごいなって思った。
終盤、舞台横手から舞台中央に滑り込んでくる殺陣があったんですけど、生で見たとき、ほんとにとつぜん視界に現れたからびっくりした。すごくかっこよかった。いいものを見せていただいた。
真剣必殺で着物が大胆にはだけたあと、「これが皆を狂わす魔王の刻印です」って蝶々の入れ墨にかかった桃色の髪の毛を、ふさぁ、ってかきあげながら言うのとびきり色っぽくて最高でした。

不動行光
今回の舞台の主役うちの一人。まさに話の中心。宗三が静ならこちらは動。じゃんじゃん話をひっかきまわして物語を回していくやくどころだった。困った子だけど憎めない、純粋さがかわいらしい、という絶妙なバランスのお芝居をしていた鯛造さんがすごかった。とんだりはねたり泣いたり笑ったり叫んだり大忙しだった。不動はうちにはいないので、私の中の不動のイメージはこの不動です

薬研藤四郎
信長に対する意見を表明していないにもかかわらず、不動からも長谷部からも宗三からもそれぞれに同意を求められる場面があってたいへん面白かった。本人はクールなそぶりだったが状況としてはめちゃくちゃ振り回されてた。
宗三の気持ちを慰めようとがんばっていたわりに、宗三の心に響く言葉をかけていたのは長谷部、という状況だったのでつくづく報われていない。最後に傾国の笑みを見ることができて本当によかった。
北村さんのお芝居が、からかい上手の薬研さんという感じだったので、イメージとギャップがあったが、これはこれでいいものでした。きりっとした戦闘時の表情がとてもかっこよくて素晴らしかったです

一期一振
大阪城の回想をやって、ゲーム未プレイの人に「歴史をかえてはいけない」ってことをチュートリアルする役どころだった。殺陣も立ち姿もロイヤル。肩にかけたマントをひらりとなびかせるのがかっこいい。廣瀬さんはすこしだけ左右非対称な笑顔なのですごみがあってよかった。敵短刀をまとめて切り捨てたところが最高に好きです。

鯰尾藤四郎
ビジュアルがあまりにも美少女でびっくりした。役どころとしては一期一振と同様だったので、今後の舞台で、もっと見せ場があるとうれしい。脇差は短いから、懐にとびこんでいくような殺陣がかっこよかったです

江雪左文字
再演でキャスト変更した一人。江雪左文字は袈裟も髪もボリュームがあるので、殺陣がともかく迫力満点だった
戦いたくないという思いにとらわれているという刀剣男士の性質の一端をわかりやすく説明してくれる役どころ。
小夜を案じるところ、宗三にやさしく声をかけるところなど、兄としての面がたくさんでていて、新鮮でした
輝馬さんのお声があまりにも素敵。

小夜左文字
小さい体でよく飛び跳ねよく戦っていた。殺陣に勢いとすごみがありますよね。小夜は復讐にとらわれているキャラクターなんですけど、それが情念的な殺陣から伝わるようですごいと思いました。
小夜は虚伝より、義伝とジョ伝で語りたい

燭台切光忠
背が高いしスタイルがいい。模擬戦で長谷部と切り合っているときに、防いだ刀ごと押し込むというパワフルな殺陣がかっこよかった。
「防御しても無駄だよ!」というゲーム中の台詞の意味がよく理解できた。あれは防御しても死んでしまいますね。
日替わりを担当していたので、ちょっとおもしろいお兄さんになっていた。光忠特性OHAGI☆
どのメディアミックスの燭台切より元気いっぱいで声が大きいのが印象的でした。

鶴丸国永
染谷さんの演じる鶴丸国永はとてもぎらぎらしていて生命力に溢れていた。
織田組のためにいろいろ仲直り策を講じてくれるが、だめだったときの切り替えが恐ろしく早い。
たいへん魅力的な鶴丸で、思い出すだけでもどきどきします。
とても色っぽかったです。

前楽を生で見て、千秋楽をライブビューイングで見るという贅沢な一日でした。
すごく楽しかったので、円盤も買いました。大事にします。